ふと思い出す人
こんにちは
労務を担当している社労士法人かぜよみ 壽々木です。
みなさんには突然、ふと思い出す人はいませんか?
ふだん、まったく忘れていたのに…
一度しか会ったことがないのに…
最後に会って10年以上経つのに…
脈絡もなく、ふと「あの人はいま、なにをしてるんだろう…」などと思う人です。
その人はきっと、あなたの心に何か消えることのない印象や記憶を深く残しているはずです。
私事ですがいまから13年前の2011年、ミャンマーに滞在していた頃のお話です。
みなさんはミャンマーにどのような印象をおもちですか?
軍政…アウン・サン・スー・チー…後発発展途上国…
どれをとっても、13年前から何一つ、変わっていません。
それどころか軍政はより苛烈になり、国軍主導の政権が経済を厳しく規制。
反発した民主化勢力や少数民族の武装集団との戦闘が相次いでいるようです。
13年前は国軍によって軟禁状態に置かれたアウン・サン・スー・チーが開放されたころで、先進諸国から経済制裁を受けていたミャンマーに外国の人や資本が多く入ってくる時期でした。
遅れた経済、特に銀行業の未発達から国内にATMすらなく、ガイドブックにIt’s Dream On(夢みてんじゃないよ)と呆れた感じで書かれていたのが印象的でした。
インフレや通貨の改廃から法定通貨Kyat(チャット)の信用は低く、みな米ドルをありがたがる、そんな国でした。
最大都市ヤンゴンからバスで1晩北上した観光地、バガンでのことです。
バガンは約40平方km内に11~13世紀の寺院(パゴダ)が3000超も散らばり、2019年に世界遺産入りしました。
それらをなるべく安上がりで見て回るため、ボロボロのレンタル自転車で2日間、走り回っていました。
写真)バガン遠景
その2日目、そろそろ暗くなりだすので帰ろうかと思った頃、ペダルを漕ぐとギシギシと音を立てていた自転車のチェーンが外れました。
ボロボロなだけでなくチェーンにオイルを差しておらず、コンディション最悪だったのがたたったようです。
チェーンをギヤに入れようと四苦八苦するも、なかなか入らない…そうこうするうちに、日は暮れゆく。
電力事情などから夜は真っ暗になり、治安はあまり良くないようなので、自転車を押して歩いて変えるしかないと絶望にくれていた頃、女性2人乗りのバイクが止まりました。
「どうしたの?」と聞かれたので理由を説明すると、所持していたドライバーを取り出しました(日本でならピッキング防止法で処罰の可能性も)。
あっという間にチェーンを直してくれました。きっと日常茶飯事で、だからこそふだんからドライバーを所持し、慣れた手つきで直せたのでしょう。
お礼を…と言っても何も持っておらず、写真を撮らせてもらいました。
「こうすれば、このことを忘れないよ」と言ったことをいまでも覚えています。
あれから13年…名前も忘れてしまい、ふとぼんやりと顔を思い出すことがある程度に。
彼女たちはいま、元気でやっているのだろうか…。
前述の通り国内情勢が悪化の一途にあるだけに、さらに気にかかります。