元図書館職員おすすめの本
皆さまこんにちは!かぜよみ伊万里の木村です。
早速ですが、タイトルの通り、前職は図書館で働いていました。
そう言うと「ゆったりしてそうでいいなぁ」とか「本読めていいなぁ」とか言われがちですが、
もちろんそんな単純な話ではなく意外と体力も使います。
最近は電子書籍が増えてきたとはいえ、まだまだ図書館の蔵書のほとんどは紙でできた本ですから、
何十冊、何百冊と入った箱を運ぶのはかなりの重労働で、腰にコルセットを巻いた人も散見されます。
また、本は汚れたり破れたりもしますから、清掃したり修理したりというのも大事な仕事です。
蔵書数は小さな図書館でも数万冊、多いところは百万冊を超えますので、膨大な作業量となります。
本は住民全員の財産ですから、できるだけ長く多くの人が読めるように管理しています。
そう、図書館の本は皆さん全員の財産です。
最近図書館に行きましたか?
学生時代以来行ってないという方も多いのではないでしょうか。
そんな方は先ず、読みたい本が無くても図書館に行ってみましょう。
書架を眺めながらぶらぶら歩いてください。
小説、雑誌、学問、趣味、歴史、料理、哲学、天文学、絵画、絵本、漫画・・・
そこには様々な本が並んでいます。
見るともなく見ていると何かしら気になる文字が目に入ることでしょう。
ぜひ手にとってみましょう。
そこには新しいあなたが待っているかもしれません。
また、最近はカフェを併設している図書館もありますし、
読みたい本が県外にあっても取り寄せるサービスがあります。
ぜひ利用してみてください。
さて、本題のおすすめの本を三冊ご紹介します。
★「沈黙」遠藤周作
有名な作品なので知っている方も多いかもしれません。映画化もされています。
舞台は鎖国時代日本。すごくざっくり言うとキリスト教弾圧、信仰の話です。
私自身、とくに信仰している宗教はありません。しかし、前々から疑問に思っていました。
なぜ当時の日本で、熱烈にキリスト教が支持されたのか。弾圧され、ときには命を奪われ、
それでも密かに250年もの間、世代を超えて信仰繋ぐほどの理由は何なのか。
信じることとは何か?幸福とは何か?考えさせられる本です。
★「蕎麦湯が来ない」せきしろ✕又吉直樹
誰の日常にも起こりうる、言葉にし難い感情、情景。そもそも感情って大抵の場合、
色々なものが入り混じってますよね。そんな想像したらクスっとくるもの、切ないもの、
もやもやするもの、自由律俳句404句。以下、いくつか抜粋。
◎修学旅行のバスから見られている
◎悪い人ではないと言われている人が来た
◎親の傘の重たさ
◎リュックを下ろさず呑む人といる
◎近所まで蹴り育てた石を諦める
1つ読むのに5秒もかかりません。寝る前にでもどうぞ。
★「おにじゃないよ、おにぎりだよ」シゲタサヤカ
最後は絵本です。
味のあるイラストで見るだけで楽しくなります。
内容は馬鹿馬鹿しいけど可愛い鬼たちにほっこりしますよ。
どの本も佐賀県内の図書館に所蔵しています。気になった方はぜひ。
長崎市の遠藤周作文学館から見た夕日です(先日行ってきました)