最近読んだ本
こんにちは。
伊万里オフィス1課の坂本です。
最近時間がある時に、読んだ本についての話です。
トランスクリティーク 著者:柄谷行人 岩波現代文庫
P511にわたる哲学の書籍で、カントとマルクスに関する考察からなっています。
難解で説明できるものではないですが、読んでみてよかったなと思ったので少し感想を。
(1)カントの道徳法則
「君の人格ならびにすべての他者の人格における人間性を、けっしてたんに手段として用いるのみならず、常に同時に目的として用いるように行為せよ」
世間では、道徳=人の嫌がることはしない。と教わるかと思います。
カントの道徳法則では、人が嫌がることをしない。ではないと明確に否定しています。それは、他者を手段として用いることが前提であり、手段として用いないことは自己犠牲の上にしか成り立たないので、道徳法則ではありえない。と
また、目的は非常に抽象的で難解ですが、目的=自由(理性)を少しでも理解しようとすることは大事だと思って次第でした。
(2)マルクスの資本論の論旨
「資本」の本質は自己増殖する”貨幣”である。生産した商品が買われるかどうかは「命がけの飛躍」が前提となる。実際には売れると仮定して、ある程度の見込みで作り続けるわけであり、それが「信用」である。
「信用」は「売買」の関係を「債権者と債務者」の関係に変えてしまう。売れるかどうかいう危機は余剰価値を生み出せるかどうかの危機に転化し、やがて過熱した「信用」による取引は「恐慌」という形で精算される。
お客様の試算表を作成している時、どうしたらもっと利益が残せるようになるんだろうと考えることがあり、その答えがこの書籍に描かれていると思い、二回目に突入しようと思っています。
難解でなかなか理解できませんが、非常に面白い内容でしたので個人的にはおすすめしたい一冊です